「防災グッズ、揃えなきゃなあ」と思いながら、5年くらい経っていませんか。私は経ってました。人は、いつか来るかもしれないもののために、なかなか動けない生き物です。
ところがある日、押し入れのキャンプ道具を眺めていて気づきました。これ、けっこうそのまま防災グッズなのでは? 電源もある、明かりもある、火も使える、寝る道具もある。というわけで今回は、キャンプ道具がどこまで防災に使えるのか、正直なところを整理します。都合のいいことばかり言うつもりはありません。使えないものは、使えないとハッキリ書きます。
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結論:かなり使える。ただし全部じゃない
先に結論です。キャンプ道具の多くは、そのまま防災グッズとして通用します。停電・断水・ガス停止——災害時に困ることって、実はキャンプ場の「何もない状態」とよく似ているんです。キャンパーは毎回、自分で電気と水と火を用意している。つまり普段から災害の予行演習をしているようなもの。
ただし、キャンプ道具の中には「防災ではまるで役に立たないもの」もあります。そこも後半でそのまま書きます。まずは、使えるものから。
そのまま防災に使える兼用アイテム
① ポータブル電源(兼用の王様)
ぶっちぎりの1位。停電時にスマホを充電でき、扇風機や電気毛布も動かせる。情報と連絡手段が生きるって、災害時には安心感が段違いです。
キャンプでも「電源サイトじゃなくても快適」という恩恵があるので、買って一番モトが取れる兼用アイテムだと思っています。選び方はファミリーキャンプ ポータブル電源おすすめに、主要2ブランドの比較はJackery vs EcoFlow 容量帯別比較にまとめています。防災を意識するなら、1000Wh前後が現実的なラインです。
② ランタン・ライト
停電の夜、暗闇は想像以上に人の気持ちを削ります。とくに子どもは不安がる。LEDランタンが1つあるだけで、部屋の空気がまるで変わります。
個人的にありがたかったのが、パネルが分割できるタイプ。1枚を子どもに、1枚をトイレに、本体はリビングに——と、家じゅうに明かりを配れます。我が家はコールマンのクアッドマルチパネルランタンを使っていて、これは災害時にかなり心強い。
③ クーラーボックス
盲点なんですが、これが効きます。停電すると冷蔵庫が止まる。そこで保冷力の高いクーラーボックスに、冷凍庫のものを移し替えれば延命できます。断水時には水を運ぶ・貯める容器としても優秀。
保冷力の実力は製品差が大きいので、ハイランドクーラーボックス25Lのレビューあたりを参考に、家族の人数に合うサイズを選んでください。
④ カセットコンロ・シングルバーナー
ガスが止まっても、これがあればお湯が沸く。温かい飲み物とカップ麺が食べられるだけで、心が3割くらい復活します。本当です。
ボンベの備蓄もセットで考えるのがコツ。普段のキャンプで使い回しながら、常に数本ストックしておくと無駄になりません。
⑤ 寝袋・マット
避難所の床、車中泊のシート——どちらも容赦なく底冷えします。寝袋とマットがあるだけで、睡眠の質がまるで違う。寝られるかどうかは、その後の体力に直結します。子どもの分は子ども用寝袋の選び方を参考にサイズを合わせてあげてください。
⑥ ウォータータンク
断水時、給水車まで水をもらいに行く——そのとき容器がないと詰みます。折りたたみタイプなら、普段はぺたんこで場所を取りません。地味ですが、あるとないとで大違いの道具です。
正直に言う:防災には向かないキャンプ道具
ここ、都合よくごまかしません。キャンプ道具なら何でも防災に使える、というのは言いすぎです。
- 焚き火台……キャンプの主役ですが、住宅地や避難所で焚き火はまず無理。煙も出るし、そもそも薪がない。防災用の熱源としては、カセットコンロの圧勝です(焚き火台の選び方はこちらの比較記事で。あくまでキャンプ用として)。
- 大型テント……設営に広い場所と時間が要ります。自宅避難や車中泊が中心の日本の災害では、出番は限定的。
- 凝った調理器具……ダッチオーブンで災害時に凝った料理はしません。しないです。
つまり「電源・明かり・湯を沸かす・寝る・水を運ぶ」の5つが兼用の本体で、それ以外はキャンプ用と割り切るのが正解です。
兼用で失敗しないための3つのコツ
- しまい込まない……押し入れの奥、物置の最深部はNG。いざというとき掘り出せません。すぐ出せる場所に。
- 年に1回は動かす……ポータブル電源は放置すると残量が減ります。キャンプで年に数回使っていれば、それ自体が点検になる。これが兼用の最大の利点です。
- 「使い方を家族が知っている」状態にする……災害時、道具を出せるのが自分だけだと困ります。キャンプで家族が触っていれば、自然と全員が使えるようになる。
まとめ:キャンプは、いちばん楽しい防災訓練
キャンプ道具の兼用は、「防災のために買う」のではなく「楽しむために買ったものが、いざというとき効く」のが強みです。防災グッズは買っても使わないまま期限切れになりがちですが、キャンプ道具は普段から使って、しかも楽しい。
優先順位をつけるなら、①ポータブル電源 ②ランタン ③カセットコンロ。この3つで、停電の夜はだいぶ違ったものになります。
キャンプに行くたび、家族の防災力がちょっと上がっている。そう考えると、次の週末に出かける口実にもなりますよね。「これは訓練だから」と言えば、たぶん家族も納得してくれます。たぶん。


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